東京修学旅行プロジェクト・ノート(1)

 

text: 高山明

 

 
 

 日本最大のモスクである東京ジャーミィをリサーチしていた時のこと、広報担当の方からインドネシアの修学旅行生はみな東京ジャーミィを訪問するというお話を伺った。東京に住む大多数の者にとって身近とは言えないモスクが、インドネシアの修学旅行生にとってはメジャーな存在なのだ。彼らは東京を独自の視点で観光するのだなと大いに興味を持った。これが東京修学旅行プロジェクトなるものを考え始めたきっかけである。
 インドネシアに限らず、今回取り上げた台湾、次回予定しているタイ、その次の中国、韓国、フィリピン、ベトナム・・等々、アジアの国々から東京に修学旅行にきた中高生は、どこを訪ね、なにを学び、この街をどのように見るのだろうか? きっと私たちが見ている東京とは異なる東京を見るに違いない。実在する修学旅行をベースに、ありうるかもしれない訪問地をコースに加え、国ごとに東京観光ツアーをつくってシリーズ化したら、どんな東京が見えてくるだろうか? 私たちが「修学旅行生」の振りをして東京を体験しなおすことで、アジア各国から眼差された複数の東京を知り、東京に刻まれた各国の歴史や文化を学び、食や娯楽を楽しみ、東京に暮らすアジアの人たちの営みに触れる。
 ツアーが参加者の“振り”によってパフォーマンスになり、都市が学びの場に変わる。東京修学旅行プロジェクトは、Port Bが模索してきたツアーパフォーマンスと教育劇との出会いなのである。


『東京修学旅行プロジェクト』